〒180-0003 東京都武蔵野市吉祥寺南町2-13-4 ユニアス吉祥寺オフィスワン406
吉祥寺駅から徒歩4分

9:30~18:00(土曜、日曜を除く)

0422-24-9300

新規開業のクリニックの火災保険についての完全ガイド

2024年3月8日公開
2024年11月29日更新

火災保険の補償内容のまとめ

目次

クリニックの火災保険は、建物や設備、医療機器などを火災から守るだけでなく、自然災害や水災、盗難などによる損害もカバーすることが多いです。

保険料を構成する一般的な要素についてまとめています。

火災保険を選ぶときの重要なポイントと特約の重要性をまとめています。

契約後も、クリニックの状況や周囲の環境に応じて火災保険を見直すことが必要です。このセクションでは、見直しのタイミングとおすすめの契約方法について解説します。

火災保険と伏せて考えたい医師賠償責任保険を紹介しています。

クリニックや歯科医院を開業する医師にとって、火災保険は重要なリスク管理手段の一つです。

この記事では、クリニックの火災保険に関する基本的な情報から、保険の選び方、おすすめの保険、そしてよくある質問への回答まで、包括的に解説します。

はじめに:クリニックに火災保険が必要な理由

クリニック経営者にとって、火災保険は欠かせない経営リスク対策の一つです。クリニックは一般的な店舗や住宅と異なり、特殊な設備や高価な医療機器が多く存在します。これらの設備や機器は、火災や水害などの災害によって大きな損害を被る可能性があります。

 

また、災害が診療の継続に与える影響は計り知れません。特に、クリニックは地域住民にとって重要な医療インフラであるため、災害による休診が患者や地域社会に与える影響も大きいです。休業期間中の収益損失を補填する特約や、迅速な再開のための支援が含まれる火災保険は、クリニック経営者が安心して事業を続けるための重要なツールです。

 

さらに、クリニックの立地や建物の構造によりリスクが異なるため、個別の状況に応じた保険設計が必要です。本記事では、火災保険の基本から、クリニック特有のリスクに対応する補償内容、そして保険料の相場や選び方について詳しく解説します。

クリニックの火災保険とは?

火災保険は、火災による損害を補償する保険であり、クリニックや歯科医院などの医療施設においても非常に重要です。

クリニックの火災保険は、建物や設備、医療機器などを火災から守るだけでなく、自然災害や水災、盗難などによる損害もカバーすることが多いです。

火災保険の基本補償内容

クリニックの火災保険には、以下のような補償内容が含まれることが一般的です:

  • 火災補償:例えば、診療時間外の漏電事故が原因で発生した火災によって建物や医療機器が損壊した場合、修理費用や再購入費が補償されます。
  • 落雷:落雷による電気系統のトラブルで診療機器が破損した際に補償されるケースもあります。
  • 風災・雪災:強風でクリニックの窓ガラスが割れる、あるいは雪の重みで屋根が破損するなどの被害にも対応します。
  • 水災:洪水や大雨による浸水被害が対象となります。例えば、水害リスクの高い地域では、浸水した建物の復旧や医療機器の再調達費用が補償されます。
 
クリニックの火災保険の基本補償内容

オプション補償(特約)

基本補償に加えて、以下の特約を付けることでより手厚い保険内容が実現します。

  • 借家人賠償責任保険
    賃貸物件でクリニックを運営している場合、火災や水漏れなどで貸主に損害を与えた際の修繕費用を補償します。例えば、診療中の火災で内装や構造物が損傷した場合、補償金で対応可能です。この特約は、特に賃貸物件で開業する院長にとって重要です。
  • 休業補償特約
    災害による休診期間中の売上損失をカバーします。特に収益依存型の診療科目(例:美容外科や自由診療クリニック)に適しています。
  • 動産総合保険
    高額な医療機器や診療室内の什器を個別に補償。例えば、CTスキャンやエコー装置などの高額機器に万が一の事態が起きた場合でも安心です。
  • 地震保険
    地震や津波による損害は一般的な火災保険では補償されません。クリニックの所在地が地震多発地域である場合は、地震保険の追加が推奨されます。

クリニック火災保険の相場と費用に影響する要因

クリニック火災保険の保険料は、様々な要因によって異なります。このセクションでは、平均的な保険料の目安と費用に影響を与える要因について具体的に解説します。

平均的な保険料の目安

火災保険料は年間約20〜30万円が一般的です。ただし、補償内容や所在地のリスクに応じて変動します。例えば、診療所の構造や建物の築年数によって保険料が上下することがあります。

費用に影響する主な要因

  1. 建物の構造と耐久性
    鉄筋コンクリート構造のクリニックは耐火性が高いため、保険料が抑えられる傾向があります。一方、木造の建物は火災リスクが高いとみなされ、保険料が割高になります。
  2. 立地条件とリスク評価
    洪水ハザードマップ上で高リスク地域に位置するクリニックは、水災リスクが保険料に反映されます。さらに、都市部と地方では保険料の傾向が異なることもあります。
  3. 補償範囲の選択
    動産補償や休業補償などのオプションを追加することで、保険料が増加します。ただし、これらの特約がクリニックの運営に与える安心感を考慮すると、費用対効果が高いと言えます。
  4. 診療科目の特性
    例えば、美容外科や歯科医院は高額機器を多く所有しているため、動産補償の影響で保険料が高くなる場合があります。

費用を抑えるポイント

複数の保険会社から見積もりを取得し、補償内容を比較検討することが重要です。また、不要な特約を削減し、必要最小限の補償範囲を選択することで、保険料を抑えることができます。

クリニックに必要な火災保険を選び時のポイント

クリニックや歯科医院の火災保険を選ぶ際には、以下のポイントを考慮することが重要です:

  • 補償内容の充実:火災だけでなく、水災や盗難などもカバーする保険を選びましょう。
  • 保険料の適正:補償内容と保険料のバランスを考慮し、最適なプランを選びます。
  • 保険会社の信頼性:信頼できる保険会社を選ぶことも重要です。

特約の重要性

また火災保険を選ぶときのポイントとなる特約についても紹介します。ここでは
クリニックでつけておいた方が良い特約を2つご紹介します。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

1つ目は、「不測かつ突発的な事故」です。

この特約をつけていると、例えば院内で誤って備品を壊してしまった場合などに免責金額を超える部分について修理費や買換えの費用を補填してくれます。

このような例がありました。

診療後にスタッフのAさんが院内を掃除機で掃除をしていました。

待合にある窓際のソファの後ろまで丁寧に掃除機をかけていたのですが、何の拍子かソファに足をひっかててしまいました。

Aさんはよろけてしまい、思わず窓のブラインドに手をかけてしまいました。

ブラインドはAさんの身体を支えてくれるほど、強くはありませんでした。バリバリっと音を立ててブラインドは破損してしまいました。

幸いAさんにお怪我は無かったのですが、ブラインドは無残に歪んでしまいました。

このケースでは、ブラインドの修理費用を無事にお支払いすることが出来ました。

ポイントは2つです。

  • お掃除中の予期しない状況で院内の備品を破損させてしまったこと。
  • ブラインドは先生が開業時の内装工事でつけたもの。

「不測かつ突発的な事故」の特約では、上記のように突発的に起こってしまった事故に対する損害を補償します。

補償の範囲は、クリニックの備品や内装が対象です。

火災保険に加入されている先生からは、最もご請求が多い特約ですが、火災保険で院内の備品の修理や買換えがカバーできるということを知らずに保険を使えていない先生も多いようです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

クリニックでつけておいた方が良い
特約の2つ目は「施設賠償責任保険」です。

この特約は、クリニック内で起こった「医療行為以外」の事故に対する賠償責任保険をカバーします。

たとえば・・・

  • 患者さんがクリニック内のドアに指を挟んで指を骨折してしまった!
  • クリニックの壁に掛けてあった絵が落下して、患者さんの頭にぶつかり怪我をさせてしまった!
  • 水漏れを起こし、階下のテナントにまで天井から水が落ち、階下の商品を汚してしまった!

などが考えられます。

補償額は1億円など高額に設定をしても、保険料はごく僅かです。

ぜひつけておくようにしましょう。

保険見直しとおすすめの契約方法

契約後も、クリニックの状況や周囲の環境に応じて火災保険を見直すことが必要です。このセクションでは、見直しのタイミングとおすすめの契約方法について解説します。

見直しのタイミング

  1. 診療所の移転やリフォーム後
    新しい設備や内装が導入された場合、補償内容の見直しが必要です。
  2. 地域リスクの変化
    自治体のハザードマップ更新などで、新たに洪水リスクが判明した場合は、水災補償の追加を検討しましょう。

おすすめの契約方法

  • 一括見積もりサービスの利用
    インターネットを活用して複数の保険会社のプランを比較し、コストと補償のバランスが取れた契約を選びましょう。
  • 長期契約のメリット
    長期契約を結ぶことで保険料を割安にできる場合があります。ただし、途中での見直しが難しくなるため、将来のリスクも考慮することが大切です。

医師賠償責任保険について

火災保険と併せて検討すべき保険として、医師賠償責任保険があります。

これは、医療行為における過誤や事故によって患者に損害を与えた場合の賠償責任をカバーする保険です。

医師賠償責任保険の必要性

医師賠償責任保険は、医師にとって必須の保険と言えます。

開業医の場合、賠償責任を負うリスクは常に存在し、重大な損害賠償請求を受ける可能性もあるため、保険によるリスク管理が不可欠です。

保険料と補償範囲

医師賠償責任保険の保険料は、診療科目や開業場所、過去の事故歴などによって異なります。

また、補償範囲も広く設定できるため、自分の診療スタイルに合ったプランを選ぶことが重要です。

医師賠償補償責任保険に関して詳しく解説している記事は以下のものですのあわせてご確認ください。

よくある質問

火災保険でどこまで補償されるのか?

火災保険は、火災による損害を中心に補償しますが、保険会社やプランによっては、自然災害や盗難、水災なども補償範囲に含まれることがあります。

具体的な補償範囲は契約内容によるため、契約前にしっかり確認しましょう。

火災保険は何を保証しますか?

火災保険は、火災による建物や設備、医療機器の損害を補償します。

また、自然災害や水災、盗難などに対する補償も含まれることがあります。

休業補償を含むプランでは、営業停止による損失もカバーされます。

火災保険は入らなくても良いですか?

クリニックの運営には多くのリスクが伴います。

火災保険に加入しない場合、火災や自然災害による損害を全て自己負担でカバーしなければならず、経営に大きな影響を及ぼす可能性があります。

したがって、火災保険への加入は必須と言えるでしょう。

火災保険は誰が払うのですか?

火災保険の保険料は、基本的にはクリニックの経営者が負担します。

保険料は経費として計上できるため、税務上のメリットもあります。

地震保険にも加入したいが可能ですか?

大きな地震も頻発していて、その被害の大きさを目にする機会も多い事から、先生方からは「地震保険に加入したい」というご相談もよくいただきます。

高額な医療機器や、費用をかけたこだわりの内装など、地震で被害にあってしまったらどうしよう・・・と不安になりますね。

ですが、地震保険は居住用の物件を対象とするものなので、クリニックなど事業用の物件に対しては加入することが出来ないのです(ただし戸建て開業など、居住部分があるクリニックにおいては地震保険の加入も可能です)。

 

そのため、損害保険会社の特約で地震の損害に対応する費用支払いをカバーしていく必要があります。

ここは保険会社によって補償内容が大きく変わってきます。

地震による火災のみが対象で、その焼失割合によって補償額が決まるもの

地震の震度に連動して、補償額がきまるもの

などです。

 

生命保険と違い、損害保険の支払い条件は非常に細かくわかりにくいものが多いです。

保険会社の特約をよく吟味して、必要な備えをしていくことが大切です。

ご加入済の火災保険について、内容をチェックしたいという先生は一度ご相談ください。

まとめ

クリニックの火災保険は、火災や自然災害、盗難などによる損害から施設を守るための重要な保険です。また、医師賠償責任保険も併せて検討することで、診療行為におけるリスクもカバーできます。

適切な保険選びのためには、信頼できる保険の相談相手を選び、複数の見積もりを比較することが大切です。

これからクリニックを開業する医師の皆さんは、火災保険や医師賠償責任保険をしっかりと検討し、安心して診療に専念できる環境を整えてください。

保険のプロに相談したい方は以下からご相談ください。

資産形成/確定拠出年金/保険に関する相談をプロにしてみませんか?

Watrayコンサルティングでは、医師専門のファイナンシャルプランナーがご対応させていただきます。資産形成/確定拠出年金/保険などに関連する問題に直面している方は、無料の相談サービスを利用することで、解決策を見つけることができます。ぜひ、今すぐお申し込みください!

よくあるご相談
  • 退職後のセカンドライフの資金計画についてアドバイスがほしい
  • iDeCoやNISAなど、どのような投資信託商品を選択して良いかわからない
  • 子供の学費や住宅購入などの資金準備をしたい
  • 医療法人で退職金をどのような商品で準備したらよいか教えてほしい

親切、丁寧な対応を心がけております。上記のようなご相談はもちろん、疑問や悩み事など、なんなりとご相談ください。

執筆者情報

後藤 淳子

株式会社Watrayコンサルティング 専務取締役

資格:AFP/証券外務員2種/DCプランナー2級
2009年 AIGエジソン生命保険株式会社
2016年 株式会社Watrayコンサルティング 専務取締役
2018年 一般社団法人日本未来設計研究所 代表理事

実績:AIGエジソン生命保険株式会社在籍時には、MDRTや社長杯など業界および社内表彰多数。

NISA、iDeCo、つみたて投資、企業型DCなどライフプランに軸にした金融商品全般のご相談をお請けしています。

関連するページのご紹介

Responsive Image Pop-up

お気軽にお問合せください

オペレーターの電話受付

お電話でのお問合せ・ご相談予約

0422-24-9300

<受付時間>
9:30~18:00
※土曜/日曜/祝日は

フォームは24時間受付中です。お気軽にご連絡ください。

新着情報・お知らせ

2024/11/29
2024/11/29
2024/11/19
2024/11/17
コラムに「投資信託の落とし穴(新NISAの落とし穴)」についてを更新しました。
2024/11/15
コラムに「ドルコスト平均法が使えないドル建ての生命保険」についてを更新しました。
2024/11/13

サイドメニュー

住所

〒180-0003
東京都武蔵野市吉祥寺南町2-13-4
ユニアス吉祥寺オフィスワン406

アクセス

吉祥寺駅から徒歩4分

受付時間

9:30~18:00

定休日

土曜/日曜/祝日