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ドルコスト平均法が使えない
ドル建ての生命保険

2024年2月9日公開
2024年7月27日更新

米ドルの価値が上がっている

目次

  • 為替の影響による保険料が変動するリスク
  • 為替の影響による受取額が変動するリスク

ライフイベントを考えた無理のない掛金を設定してますか?

ドルコスト平均法とドル建て保険とは

ドルコスト平均法とは

ドルコスト平均法(Dollar Cost Averaging)は、定期的に一定額の資金を投資対象に投資する手法です。
投資家が長期的な視点で資産を積み立てるためのリスクヘッジ手法の一つで、市場の変動に左右されずに資産を積み立てることを目指します。
例えば、以下のように1ヶ月に1回3万円投資していくと、平均購入価格を抑えることができます

ドルコスト平均法をグラフで説明

利点は、上記からも分かるように、市場の変動リスクを最小限に抑えつつ、長期的な投資目標に向かって資産を積み立てることができる点です。また、感情に左右されずに定期的に投資を行うことができるため、投資のタイミングを見計らう必要がなくなります。

ドル建て保険とは

ドル建て保険は、保険料や保険金支払いなどが米ドル(USD)で計算され、支払われる生命保険の形態です。これは、通常の日本円での生命保険とは異なり、保険契約の対象や支払いが米ドルで行われる点が特徴です。

ドル建て保険の利点の一つは、外国通貨での積立てや給付を希望する場合に有用であることです。特に、将来の為替リスクを考慮したい場合や、外国での生活や留学、海外旅行などの際に円安や為替の影響を受けずに保障を受けられる点がメリットとして挙げられます。

ドル建て保険とドルコスト平均法の相性

ドル建て保険においてドルコスト平均法の適用には限界があることに注意が必要です。
なぜなら、保険料が定額であるため、市場価格の変動を活かした分散効果が発揮されにくいからです。特に円安の影響を受けやすいドル建て保険の場合、円で支払う保険料が高くなり、期待する効果が薄れることがあります。例えば、円安が続いている状況では保険料が増加し、資産形成に対するリスクが高まるのです。

また、ドルコスト平均法は一般的に株式や投資信託などの投資商品で効果を発揮しますが、固定的な保険商品ではその効果が限定的です。そのため、ドル建て保険を検討する際はドルコスト平均法が適用できないことを理解し、適切な資産運用手法を検討することが重要です。

ドルコスト平均法によるドル建て生命保険のリスク(円安/円高)

ドルコスト平均法のデメリット

ドルコスト平均法のデメリットとして、特にドル建ての場合には円安の影響を受ける点が挙げられます。円安が進行すると、ドル建ての保険料や積立金が相対的に増加し、支払う金額が増える可能性があります。これは、ドル建て保険において特に顕著に現れる問題です。
 

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 ここでA先生を例に出して説明いたします。

毎月100ドルを積み立てる保険を契約しています。
2024年に入り記録している歴史的な円安のケースであると毎月かかる保険料が高くなってしまいます

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このように

円安になると保険料が高くなり、円高になると保険料が安くなります。

また、満期のときに円高になってしまうと資産が減り、大きな損失をともなう可能性があるので注意が必要です。
そのため、今のように2024年に入ってからの歴史的な円安の場合は保険料が高くなり、ドル建て保険の保険料が高くなるので、見直しが必要です。

ドル建て保険のメリットとデメリット

ドル建て保険の大きなメリットは、外国通貨建てであるため、国内の金利情勢や円の価値に影響されずに長期的な資産形成が可能である点です。特に、円安の時期が続くと、日本円での資産価値が高まり、ドル建て保険の給付額が増える可能性があります。このため、ドル建て保険は資産の一部を外国通貨で保有し、リスク分散を図りたい場合に有効な選択肢といえます。

 

一方で、デメリットとして為替リスクが挙げられます。契約時に円安であれば保険料は高くなり、満期や解約時に円高であれば受け取る額が目減りするリスクがあります。さらに、保険契約時に為替手数料が発生し、これがコストとして保険料に影響する場合もあります。特に、円安が長引くと保険料の支払いが家計に負担となりやすく、解約や見直しを検討する必要が生じることもあるでしょう。

ドル建て保険には多くの利点とリスクがあるため、為替動向や長期的な資産プランを見据えて、慎重な判断が必要です。

ドル建て保険と円安:払済保険の活用法

払済保険とは、保険料の支払いを停止し、既に支払った保険料をもとに保険契約を維持する方法です。ドル建て保険において、円安が進行して保険料の支払いが困難になる場合に有効な手段となります。

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メリット:

  1. 保険料の固定: 円安による保険料の増加を回避できます。
  2. 保障の維持: 払い済みにすることで、最低限の保障を維持できます。
  3. 長期的な運用: 払い済みにすることで、積立金を長期的に運用し、将来的な資産形成を図ることができます。

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A先生は、毎月500ドルのドル建て生命保険に加入しています。2024年に円安が進行し、1ドル=150円となりました。毎月の保険料は75,000円に増加し、A先生の家計に負担がかかるようになりました。A先生は、保険会社と相談し、払済保険に変更することを決定しました。

払い済みにすることで、A先生は今後の保険料の支払いを停止し、その時の解約返戻金をもとに保障を維持することができました。この結果、円安による家計への負担を軽減しながら、保険契約を継続することができました。

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結論と対策

ドル建て保険を円安の影響を受けずに運用するためには、払済保険を検討することが有効です。ただし、払い済みにする際には、保障内容や将来的な資産形成について、保険担当者やファイナンシャルプランナーに相談することが重要です。

学資保険やNISAとの比較

学資保険やNISAは、日本国内で資産形成を目指す際に利用される制度です。
学資保険は子供の教育資金の積み立てに適しており、払い込み完了時に教育費を受け取れる仕組みになっています。一方、NISAは年間一定額までの投資から得られる利益が非課税となり、一般的な投資信託や株式での資産運用が可能です。

ドル建て保険との違いは、まず為替リスクの有無にあります。
ドル建て保険は米ドル建てであるため、為替変動に左右されやすいですが、学資保険やNISAは円建てが基本です。また、NISAは途中での資金引き出しも柔軟で、教育資金や緊急資金として活用しやすいのに対し、ドル建て保険は契約期間が長く、解約時に元本割れするリスクが伴う場合もあります。

このように、学資保険やNISAと比較しながらドル建て保険を見直すことで、目的やリスクに応じた最適な資産形成方法を見つけることが可能です。

ドル建て保険の見直しの重要性

上記のように円安になった場合は、掛金が割高になった円安のタイミングで、利益を確定して解約や払い済み保険に変更することをお勧めします。

2024年に入り、歴史的な円安が進行している現在、ドル建て保険の見直しがますます重要になっています。

特に、ドル建ての養老保険ドル建ての終身保険に関する相談が増えてきており、このような商品は為替レートによって毎月(毎年)の保険料が変動するため、契約時の為替レートより上がっていると保険料が高くなるため、他の支出を抑えなくてはならない可能性が出てきてしまいます。

高額な掛金を支払っている先生は、お子様の受験などで教育費がかさみ、契約時よりも円安になり想定外の支出になっています。

将来のライフプランを見据えた無理のない掛金で始めることが大切です。

将来の為替レートを予想するのは大変難しくプロであっても予測できない時代になっております。

保険料の支払いが変動するとライフイベントにかなりの影響が出てしまい注意が必要です。

ぜひ今一度ドル建て保険の見直しをしてみてください。

資産形成/確定拠出年金/保険に関する相談をプロにしてみませんか?

Watrayコンサルティングでは、医師専門のファイナンシャルプランナーがご対応させていただきます。資産形成/確定拠出年金/保険などに関連する問題に直面している方は、無料の相談サービスを利用することで、解決策を見つけることができます。ぜひ、今すぐお申し込みください!

====実際にサポートした例====

円安によるドル建て終身保険の見直し
当時約48歳/4人家族/病院勤務・外来の先生のケース

相談内容

ドル建て終身保険に加入していた。円安により毎月の保険料(固定費)がかさみ、これ以上円安になると生活がどうなってしまうのか不安を感じている。またこれから子供の学費を準備しなくてはならないので、どのような方法が良いかという相談。

結果

ドル建て終身保険の解約

理由

  • これ以上円安になると将来の計画が狂ってしまう
  • 満期まであと17年の間、円安期間が長く、受取時に円高になった場合のことを考えると、高い保険料を払っている期間が長く、円転した場合に損失が出る可能性が高い
  • 為替は先が読みにくくドルコスト平均法も使えない

解決できたこと

  1. 毎月の約8万円支出が減った
  2. 死亡保障が約1億円上がった
  3. 死亡保障が65歳から70歳に延長できた
  4. 今後、毎月積立てが出来なくなったとしても、一括投資をやったことにより、ある程度金融資産が見込める

詳細

お子さんがまだ小さいため、保険は積立てでなく死亡保障のみにして、万が一亡くなった時にご家族が困らない保険に加入。下のお子さんがまだ1歳のため保証期間を70歳までに延長した。毎月の掛け金は約16,000円になり、死亡保障は最高で約1億3,000万円になった。

解約返戻金は約1,950万円でした。65歳時に返戻金は約580,000ドルでしたので、1㌦150円ですと約8,700万円、100円になると約5,800万円になってしまう。

 

解約返戻金1,950万円を一括で投資信託を購入。
65歳まで運用すると、リターン率5%で約4,400万円、8%で約7,200万円、10%だと約1億円になります。

そして毎月15万円を65歳まで積立てをした場合、リターン率5%で約4,700万円、8%で約6,300万円、10%で約7,600万円になります。

一括投資と積立投資の合計は、5%で約9,100万円、8%で約1億3,500万円、10%で約1億7,600万円になります。

投資信託は、複利的効果が得られるので長期運用には適しています。お子さんが小さい内は、毎月15万円で積立をしていき、大きくなるにつれ支出が増えてきたら積み立てを減らすことも可能です。また、将来投資信託の資産が増えていくごとに、生命保険の減額の見直しをしていけば、将来的には毎月の保険料を抑えることが可能になっていきます。

 

親切、丁寧な対応を心がけております。上記のようなご相談はもちろん、疑問や悩み事など、なんなりとご相談ください。

執筆者情報

平野 慎二

株式会社Watrayコンサルティング代表取締役平野慎二

株式会社Watrayコンサルティング 代表取締役

資格:AFP/証券外務員2種
1991年 ジブラルタ生命保険株式会社入社
2016年 株式会社Watrayコンサルティング創業
2018年 一般社団法人日本未来設計研究所創業参画

実績:ジブラルタ生命(旧セゾン生命)に入社の翌年、当時最年少で社長賞受賞。入社3年で年収1000万円達成。1993年から10年連続社長杯を受賞するトップ営業マンとなる。入社から25年間、現場、マネージャー職を経験。その後独立してWatrayコンサルティングを創業。

確定拠出年金導入支援(企業型確定拠出年金の申請/運営サポート/投資教育)を中心に多くの企業をサポートさせていただいております!

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