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投資信託の落とし穴(新NISAの落とし穴)

2024年3月10日公開
2024年11月17日更新

a man who loses money continuosly

目次

   新NISA(新ニーサ)についてをまとめています。

   新NISA(新ニーサ)のデメリットと言われる点をまとめています。

   新NISAの元本回復にはリスクが伴うため、長期視点で慎重に投資商品を選ぶ必要があります。

   投資信託の商品選択にて毎月分配金型を選んだことで1,100万円が150万円に...

   毎月分配金に対する誤解が元本割れの原因。またNISA制度の理解不足で十分活用できておらず。

   契約時にはメリット/デメリットを十分に理解すること・年1回はアフターフォローを受けること

2024年から新NISAがスタートして日本全体がNISA一色になっています。
最近特に各金融機関がこぞってCMで集客をしていて、国民はNISAブームに乗り遅れないように「早く始めないといけない」という焦りの心理状態に陥ってしまう。
ただ、先生の目標や目的に合わない投資信託を選んでしまうケースも多いので注意が必要です。

新NISAの基本

新NISAの概要

新NISA(少額投資非課税制度)(読み方:新ニーサ)は、2024年から導入される新しい非課税投資制度です。従来のNISA制度を改良し、より多くの投資家が利用しやすいように設計されています。新NISAの主な目的は、個人投資家の資産形成を支援し、長期的な投資を促進することです。

新NISAでは、年間一定額までの投資に対して、将来の売却益が非課税となります。この制度は、個人投資家にとって税制上の大きなメリットを提供し、投資のリスクを軽減することが期待されています。

新NISAの変更点

新しいNISA制度には旧NISAと比較していくつかの重要な変更点があります。これらの変更点を以下にまとめます。

  1. 非課税投資枠の変更
    旧NISAでは年間120万円までの投資が非課税枠の対象でしたが、新NISAでは「成長投資枠」と「つみたて投資枠」に分けられ、より柔軟に投資できるようになりました。具体的には、成長投資枠で年間最大240万円、つみたて投資枠で年間最大120万円までの投資が可能です。これにより、年間合計で最大360万円まで非課税枠で投資が可能となります​ 。

     
  2. 投資対象の拡大
    旧NISAでは主に国内株式や投資信託が対象でしたが、新NISAでは米国株式や海外ETFも成長投資枠の対象に追加されました。これにより、国際分散投資がしやすくなり、リスク分散の選択肢が広がります​ 。

     
  3. 投資期間の延長
    旧NISAの非課税期間は5年間でしたが、新NISAでは無期限となり、非課税の恩恵を長期間受けることができます。これにより、長期投資の魅力が増し、投資計画をより柔軟に立てることができます。

     
  4. ジュニアNISAの廃止
    旧NISAではジュニアNISAがありましたが、新NISAではこの制度が廃止されました。18歳以上の成人がNISA制度に加入できることになります​

     
  5. 制度の簡素化
    新NISAは、成長投資枠とつみたて投資枠の2つに統一され、制度全体が簡素化されました。これにより、利用者は投資枠をより理解しやすく、管理しやすくなります​。

 

これらの変更点により、新NISAはより多くの人々が利用しやすく、長期的な資産形成に適した制度となっています。

新NISAのリスク

新NISAの制約

新NISAでは、非課税期間が無期限となるため、長期的な資産形成が可能です。

  • 途中売却の制約:保有資産を売却すると、売却した分の非課税投資枠を再度利用できますが、再度利用できるのは保有資産を売却した翌年になります。

リスクと元本割れの可能性

新NISAに限らず、投資にはリスクが伴います。特に以下のリスクに注意する必要があります。

  • 市場リスク:株式市場や債券市場は経済状況や政治的な出来事により変動します。これにより、投資商品の価格が上下し、元本割れの可能性があります。特に短期間での市場の大幅な変動は、投資元本に大きな影響を与えることがあります。
  • 信用リスク:投資先企業や国が財務的な問題を抱えると、投資商品の価値が下がる可能性があります。特に個別株式や企業債券に投資する場合は、投資先の財務健全性を確認することが重要です。
  • 流動性リスク:市場で売買が活発に行われていない投資商品は、売却したい時に希望の価格で売却できない可能性があります。特に新興市場の株式や小型株式などは流動性リスクが高いとされています。
  • 為替リスク:海外の株式や債券に投資する場合、為替変動により投資商品の価値が変動するリスクがあります。円高になれば、円換算した際の投資価値が減少することがあります

新NISAに潜む「元本回復の罠」

新NISAは、長期的な資産形成を促進するための非課税制度ですが、その設計には思わぬ「罠」が潜んでいる可能性があります。その一つが、元本の回復を過信するリスクです。

新NISAでは投資対象が多様化し、国内外の株式や投資信託への選択肢が広がっています。この柔軟性は魅力的ですが、投資商品の中にはリスクが高いものも含まれているため、短期的な市場変動によって元本が大幅に減少することがあります。特に、新興市場や個別株式を選択した場合、回復までに長期間を要することがあり得ます。さらに、元本が大幅に減少した状態で途中売却を行うと、その枠を再利用できるのは翌年からであり、投資計画の修正が難しくなります。

例えば、急激な経済変動や市場の下落が発生した際、売却のタイミングを誤ると、元本の回復がさらに遠のくことになります。特に初心者投資家は、冷静さを欠き、価格の下落時にパニック売りをしてしまうことがあります。このような行動は、せっかくの非課税制度のメリットを無駄にするだけでなく、将来的な資産形成にも悪影響を及ぼします。

そのため、投資を始める前にリスク許容度をしっかりと見極め、目先の利益に囚われず、長期的な視点で投資を行う必要があります。また、投資商品を選ぶ際には、元本確保型や安定した成長が見込まれるファンドを選ぶなど、慎重な検討が求められます。

新NISAを活用する上で重要なのは、制度のメリットを理解しつつ、リスクに対して適切な備えをすることです。このポイントを押さえることで、元本回復の罠に陥らず、効率的な資産形成が可能となるでしょう。

実際にあった投資信託での運用による元本激減ケース

先日、開院3年目を迎えた整形外科の先生からクリニックの売上も軌道に乗ってきたので、そろそろ将来に向けた資産運用のことでどうしたら良いか相談にのってもらいたいと連絡をいただきました。

院長先生は51歳、奥様48歳でお子様が3人いるご家庭でした。

色々とヒアリングしていくと、奥様から現在NISAをやられているとのことでした。勤務医時代にコツコツ貯めたお金と親からの結婚資金の援助を合わせた1,100万円を約8年前から投資信託で運用を始めました。

定期預金に入れていた1,100万円を、とある銀行からNISAのメリットについて説明を受け、勧められるがまま投資信託を購入しました。

3人のお子さんに学費が掛かかることを相談すると、分配金を受け取ることができ、毎月の学費をカバーできるとの説明で商品を案内されたとのことです。

分配金もNISA口座で受け取るため、非課税で受け取ることができる。

しかも3人の学費もカバーできるなんて、その時はとても魅力的な提案だったのです。

そして投資信託を購入した後は、毎月分配金を受け取り、その分を学費に当てていたのですが、少しずつ分配金が減っていったそうです。

銀行に問い合わせてみると当然あると思っていた資産1,100万円が150万円まで目減りしていることを告げられたました。

愕然とした奥様は、当初契約したときの担当者に連絡するも既に異動しておらず、銀行からは「毎月分配金を払う商品なので」の説明しかありません。

まだまだ大学卒業まで学費が掛かるうえ、ご主人にどう説明すれば良いか当時は悩まれたそうです。

投資信託の商品理解とNISA制度の理解の重要性

金額は様々ですが、このようなケースはよくあることです。

資産が激減したのは、毎月分配型の商品を選択してしまったことが原因です。

毎月分配型の商品は、投資信託で運用した利益を分配金で出す普通分配金と、運用益が出ないときは、元本を取り崩して受け取る特別分配金の受け取りの仕組みなのです。

奥様が毎月投資信託の利益だと思って出ていた分配金は、資産元本からも取り崩して受け取っていたものも含まれていたのです。

ただ、今まで受け取った分配金の総額と現在の資産を合計すると約13%増えている計算でした。現在の資産は減りましたが実際は資産がプラスになっていたことを考えることにより、当初の選択は仕方ないと自分を納得させる理由にするしかありません。

このように元本を取り崩して分配金を受け取る投資信託と、元本を取り崩すことなく分配金を受け取れる商品があることを知っておく必要があります。

また、このときのNISAの年間投資上限枠は120万円で、5年間で最大600万円までしか投資することができない制度です。

奥様は1,100万円を同じ年に一括で投資しているので、1,100万円の内120万円分しかNISA枠を使えていない状況だったのです。

【重要】契約時にきちんと内容の理解をすること・定期的にアフターフォローを受けること

このような契約の原因は、

  1. 契約時の理解が不十分であったこと
  2. アフターフォローがまったくなされていなかったこと

この二点が大きな原因だと思われます。

NISAは国の制度という安心感から聞く耳を持ち始め、良いことばかり言われると自分の都合のよいことばかりが頭の中を駆け巡り、そして頭の中はメリット一色になってしまう。さらにメリットだけの記憶が残る。

これは金融商品以外でも良くあることではないでしょうか。

銀行員がどのように説明をしたかわかりませんが、メリットとデメリットをしっかり把握して購入することが大切です。

そして、最低一年に一回はアフターフォローを受けていただくことです。

商品の確認と現状の把握、更に購入した商品がご自身やご家族のライフプランにあった商品かどうかを再確認していくことが非常に重要なことなのです。

アフターフォローを受けていれば、このようなケースは起こり得なかったと思います。      

投資信託に関するよくある質問

積立NISAやめたほうがいい理由は?

  • リスクの理解不足
    投資信託のリスクを十分に理解していない場合、元本割れや損失を被る可能性が高くなります。つまり、市場の変動や経済状況に対する理解が浅いと、短期的な市場の下落に対応できないことがあります。
  • 収入の不安定さ
    毎月の積立額を安定して確保できない場合、生活費に影響を及ぼす可能性があります。
    また、緊急の出費がある場合、積立を続けることが難しくなることがあります。
  • 投資期間の短さ
    積立NISAは長期的な資産形成を目的としていますが、短期間での利益を期待する場合には向いていません。非課税期間を活用しきれない場合、期待するリターンを得られない可能性があります。       
 

積立NISAは毎月1万円では意味がない?

1万円からでも始める意味は大きいです。理由としては以下のものが挙げられます。

  • 小額からの積立のメリット
    毎月1万円の積立でも、長期間続けることで大きな資産を形成することができます。複利効果によって、投資元本が増えるほどリターンも大きくなります。
  • ドルコスト平均法の活用
    定額を定期的に積立てることで、価格変動のリスクを抑えることができます。
    高値掴みを避け、低価格の時に多くの口数を購入できるため、リスクを分散する効果があります。
  • 長期投資の重要性
    積立NISAは長期的な資産形成を目的としているため、少額でも長期間続けることが重要です。市場の短期的な変動に左右されず、安定したリターンを期待できます。

資産形成/確定拠出年金/保険に関する相談をプロにしてみませんか?

Watrayコンサルティングでは、医師専門のファイナンシャルプランナーがご対応させていただきます。資産形成/確定拠出年金/保険などに関連する問題に直面している方は、無料の相談サービスを利用することで、解決策を見つけることができます。ぜひ、今すぐお申し込みください!

よくあるご相談
  • 退職後のセカンドライフの資金計画についてアドバイスがほしい
  • iDeCoやNISAなど、どのような投資信託商品を選択して良いかわからない
  • 子供の学費や住宅購入などの資金準備をしたい
  • 医療法人で退職金をどのような商品で準備したらよいか教えてほしい

親切、丁寧な対応を心がけております。上記のようなご相談はもちろん、疑問や悩み事など、なんなりとご相談ください。

執筆者情報

平野 慎二

株式会社Watrayコンサルティング代表取締役平野慎二

株式会社Watrayコンサルティング 代表取締役

資格:AFP/証券外務員2種
1991年 ジブラルタ生命保険株式会社入社
2016年 株式会社Watrayコンサルティング創業
2018年 一般社団法人日本未来設計研究所創業参画

実績:ジブラルタ生命(旧セゾン生命)に入社の翌年、当時最年少で社長賞受賞。入社3年で年収1000万円達成。1993年から10年連続社長杯を受賞するトップ営業マンとなる。入社から25年間、現場、マネージャー職を経験。その後独立してWatrayコンサルティングを創業。

確定拠出年金導入支援(企業型確定拠出年金の申請/運営サポート/投資教育)を中心に多くの企業をサポートさせていただいております!

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